透析を受けることになったら絶対に申請するべき医療費助成制度

ソーシャルワーク


透析治療にかかる医療費の仕組みはとても分かりにくいため、病院で

相談を受けることも多々あります。

透析にかかる医療費は非常に高額になります。

さて透析を受けることになってしまった場合、いくつかの医療費助成制度がありますが、今回はその中でも一番最初に申請した方がいい「特定疾病療養受療証(マル長)」について説明していきたいと思います。

特定疾病療養受療証(マル長)


特定疾病とは「長期特定疾病」のことで俗にマル長と呼ばれています。

長期にわたって療養が必要な疾病について医療費が助成され、対象となる疾病は血友病、人工透析を必要とする腎不全、血液製剤によるHIV感染症。

自己負担



加入している健康保険へ申請すると医療費の自己負担額が1万円/月

(標準報酬月額が53万円以上である方、いわゆる上位所得者は2万円)までとなります。

手続き
  1. 各保険窓口で特定疾病療養受療証の交付申請書をもらう
  • 国民健康保険:市区町村窓口の国民健康保険担当課

  • 社会保険(協会けんぽ):全国健康保険協会各都道府県支部

  • 社会保険(組合):各健康保険組合

※申請書は各ホームページでダウンロードできる場合もあります

  1. 交付申請書に必要事項を記載し、病院窓口へ提出。
    主治医の意見欄へ記入してもらう

  1. 証明書を各保険窓口へ提出する

〈申請時の持ち物〉

  • 特定疾病療養受療証交付申請書(必要事項記入済みで、主治医の意見欄に記入されているもの)
  • 健康保険被保険者証
  • 印鑑
  • 本人以外が代理で申請に行く場合は代理者の身分証明証


  1. 各保険者が特定疾病療養受療証(マル長)を発行する

  1. 特定疾病療養受領証(マル長)を医療機関窓口へ提示する

特定疾患医療受給証(マル都)


特定疾患医療受給証は俗にマル都と呼ばれており、都内に住民票のある方が上に書いた特定疾病療養受療証(マル長)によって発生する自己負担額1万円を東京都が負担してくれる医療費助成の制度です。

※これは地方自治体による助成になります。
自治体によっては存在しないので、申請手続きを行う前に自治体へ問い合わせてください。
(今回は東京都の難病医療費制度であるマル都を紹介します。)

マル都で助成される金額は1万円なので、マル長を使ったあとの自己負担分が1万円減ります。

つまりマル長の自己負担が1万円の人はゼロ、2万円の人は1万円になるというわけです。

マル長と合わせて取得することによって人工透析などの治療にかかる医療費をほとんど賄うことができるというわけですね〜。

【助成の対象となる費用は?】


マル都の有効期限内に受けた


人工透析に係る医療費で


医療保険各法が適用された診療、調剤の


特定疾病療養受療証(マル長)が適用された


自己負担額(入院・外来ごとに1医療機関あたり月額10,000円を限度)です。

【助成の対象とならない費用は?】
  • 入院時の食事・生活療養標準負担額
  • 介護保険適用のサービスを受けたときの費用
  • 保険が適用されない費用
  • 特定疾病療養受療証の適用のない医療費
手続き
  1. 窓口へ申請にいく

申請窓口は保健所等、市区町村によって窓口が異なります

※事前に確認しましょう。

〈申請時の持ち物〉

  • 難病医療費助成申請書兼同意書(市区町村の窓口にある)
  • 住民票
  • 保険証(コピーも可)
  • 特定疾病療養受療証(マル長)(コピーも可)


  1. 東京都からマル都医療券を交付

  (マル都医療券の発行までには1ヶ月ほどかかります)

  1. マル都医療券を医療機関窓口へ提出する。

※マル都は申請書を市区町村の窓口に提出した日から有効になるため、人工透析の開始後速やかに申請しましょう。

まとめ

透析に関わる制度はややこしいですが、とりあえずこの二つの制度を申請するだけでかなりの医療費自己負担が軽減されます。

また各病院には私のようなソーシャルワーカーがいると思うので、わからないことがあればすぐにお声がけください。

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